はじめての人でも楽しめる自然盆栽
根捌き・水中植え替え
限られたスペースの中で生育している盆栽にとって植え替えは避けては通れません。
鉢から抜いてよく根の状態を観察し徒長根・熟根を見極め徒長根はなるべく切り詰め熟根は残す形で根を捌くことでより美しい自然盆栽を作ることができます。
一般的な盆栽ですと大雑把に根を削除し切り詰め鉢に入る常態であればそれでいいというようなとても簡単な根の捌き方をしているようです。
左の図のような植え替え時の根の捌き方だと新しい植え土のところだけに根ができて次の植え替えのときもまた同じような根捌きを行うことになり自然盆栽でいう「熟根」はできないことになります。
古い土を満遍なくおとして根が絡んでいる場合はほぐしながら熟根を見極め、熟根を残しながら徒走根はなるべく押さえるように切り詰める、そのことで樹の将来の姿を思い浮かべながら植栽をし熟根があるところは軽く圧え徒走根付近は強く圧えるようにします。
根捌き
植え替えのとき古い植え土を落としながら根をほぐし根全体を放射状に広げ熟根を残し徒長根を抑える植え替えの作業のこと。
水中植え替え
植え替え時の作業の仕方の一つで根捌き・植栽・土入れなどの作業を大きめな桶などの中に水を張り水中で植え替えの一連の作業をすることを言う。
鉢から樹を抜き、二箇所ほど1~3センチの細巾に根元幹元まで、新土を突き入れる為に、古土を手早く除去し、水を満たし流し続ける大きな盥(タライ)に入れて、水中で上下に樹をチャプチャプと揺すりながら古土を洗い流し、あまり根を切らず、根をタクシ込むように巻き込んで、根が乾かぬうちに、新土をいれ、あまり突きこまず、また鉢ごと水中に入れてトントンと鉢をたたき水中から、静かに上げたり、入れたりして「水決め」して植えつける。
根ずまりを起こした樹、土が粉になって水が引かない鉢に行う。手早く行うこと。どうしても必要な鉢に行う。
誰でも進められることではない。
・・・・・・・・「自然と盆栽」第39号より
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ハサミを使わないで枝を調整する
なるべくハサミを使わないで、爪だけでやったほうが厭味のない盆栽ができます。
爪で折れないほどの太い枝は、葉を抜いて枯らします。
葉を抜いてもまた吹いてきますから何回も繰り返し、物によっては三年・四年がかりで枯らし、完全に枯れてから適当なところでポキンと折ると、幹の芯まで枯れ込むことがありません。
ちょっと待つ気持ちが大事で、盆栽作りにはハサミはいらないと言い聞かせなるべく手造りが良いでしょう。
自然盆栽協会「盆栽」より