はじめての人でも楽しめる自然盆栽
五大肥
一般に思い浮かべる「肥料」といえば油粕・液肥・骨粉などが思い浮かびます。
自然盆栽の場合風・太陽・水・土・葉などを総称して五大肥と言います。
園芸植物や野菜とは違い肥料を与えすぎてからしたり急に太らせたりするのではなくあくまでも自然のままの状態を保ちながら樹を作っていくという考え方から最小限の肥料と自然の力を借りながら樹を作っていくという考えがあります。
風
空気は、根にも葉にも必要である。通風の悪いところに置くと樹勢が落ち、害虫がいっぱいついて枯れることもある。枝懐にも微風が入るような置き場を工夫してほしい根にも通風が必要なのである。
陽
太陽のひかり。草木が光合成をするための大切な源である。
雨水・潅水
自然がもたらす天然の恵み、雨水にはいろんな微量要素が多数含まれていて、光とともに光合成をする要素として欠かせない存在です。潅水することで植え土のいらないものを排出し根に空気を送る。
土
植え土には多くの天然要素が含まれ水や空気を土の中に溜め込み根の成長には欠かせない。
排水の悪い土や、微塵を抜かない土に植えたものは水を与えても鉢土に染み込まず根は水不足空気不足で窒息してしまう。 水引きの悪い鉢や、水の乾かない鉢、長年植え替えずに根ずまりを起こした鉢などは六月の新梢の元の方の葉が固まった時期に「流水換土」「水中植え替え」をするか竹バシなどで鉢土の底まで届くように気穴を数十箇所開ける。
葉
樹の生長には欠かせない大切な器官で光合成を行う場所。秋には枯れて土に返り大切な樹の肥料になる。
葉で栄養は作られる。(落葉も栄養源)芽を摘みすぎたり、葉刈りをすると、力のある樹はすぐに不足分の葉を補うために疲れるくせに芽を出し葉を広げてくる。山や野でも初夏までに葉数が少なすぎた樹や力の余った樹は、土用芽とか土用葉とか夏葉とか呼ばれる葉や枝を伸ばして葉数を補足しようとする。
この原理を利用したのが、モミジ、カエデ、ケヤキなどの「葉刈り」であり黒松の新葉切りである。
いずれも今年の葉が大分固まり、光合成作用を行うようになって少し樹に力が付き、根の伸張充実も一服し、いと休みした時期に行う。
お願い
「自然盆栽」の記事に関しては無断転載禁止。
このホームページに書かれている事は、私自身の経験や 自然盆栽を作っておられた先輩からから教わったものまたは「会報」などを基に記述しました。
このホームページに掲載している内容により発生した、いかなる損害に対しても当方では一切責任を負いかねます。
また記述内容の質問なども「自然盆栽」に関しては受け付けておりません。
この記述は私個人の覚書として記述しており私個人が利用することを念頭に掲載しております。そのつもりでお読みください。
ハサミを使わないで枝を調整する
なるべくハサミを使わないで、爪だけでやったほうが厭味のない盆栽ができます。
爪で折れないほどの太い枝は、葉を抜いて枯らします。
葉を抜いてもまた吹いてきますから何回も繰り返し、物によっては三年・四年がかりで枯らし、完全に枯れてから適当なところでポキンと折ると、幹の芯まで枯れ込むことがありません。
ちょっと待つ気持ちが大事で、盆栽作りにはハサミはいらないと言い聞かせなるべく手造りが良いでしょう。
自然盆栽協会「盆栽」より