図鑑用語「胎座」


▼ 「胎座」(たいざ)

「子房室」の中で「胚珠」が子房についている部分(胚珠のつく子房室の表面)

▼ 「胚珠」(はいしゅ)

「子房」の中にある小さな「粒」、受精後は成長して「種子」になる器官。

◇ 縁辺胎座(えんぺんたいざ)
enpen.gif一個の「心皮」からなる一室の「子房」で心皮の「合わせ目」、心皮の「縁」に「胚珠」がつくものをいう。 「オダマキ属」「トリカブト属」「メギ属」「マメ科」など


◇ 側膜胎座(そくまくたいざ)
t2.gif数個の「心皮」からなる、一室の「子房」で隣り合った心皮の合わせ目、つまり子房の側壁に「胚珠」が付くもの。 「ヤナギ科」「アブラナ科」「スミレ科」「モウセンゴケ科」など


◇ 中軸胎座(ちゅうじくたいざ)
t3.gif数個の「心皮」の合成でできた「子房」の中心の「軸」に「胚珠」がつくものをいう 「ツツジ科」「オトギリソウ科」「カタバミ科」など



◇ 特立中央胎座(とくりつちゅうおうたいざ)
t4a.gif数個の「心皮」の合成によってつくられた一室の基底から一個の軸が立ち、その周囲に「胚珠」をつけるものをいう。 「ナデシコ科」「サクラソウ科」など


◇ 面生胎座
men.gif「胚珠」が心皮内面全面に散在する場合をいう。「単一子房」に限られる。 「スイレン科」「アケビ科」など


◇ 基底胎座
kitei.gif「単一子房」の縁辺胎座、「複合子房」の側面胎座または「中軸胎座」の胚珠数が減少し、のこった1~少数の胚珠が子房の「基底部」にある場合に言う。 「キンポウゲ属」「キイチゴ属」「サクラ属」「バラ属」など


◇ 懸垂胎座
kensui.gif「単一子房」の縁辺胎座、「複合子房」の中軸胎座の胚珠数が減少して、残った1~少数の「胚珠」が子房室の頂端にある場合をいう。 「イチリンソウ属」「カラマツソウ属」「セリ科」「ウコギ科」など

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単花果・多花果・集合果

単花果

ひとつの果実が一個の子房または子房群に由来する場合をいう。
真果はすべて単花果であるが、単花果は必ずしも真果ではない。偽果として例に挙げた、キンミズヒキ属、シラタマノキ属の果実はいずれも単花果である。

多花果・複合果

ひとつの果実が複数の花の子房または子房群に由来する場合多花果または複合果という。

集合果

単花果の中で果実が一個の単一子房または一個の複合子房に由来する場合は単果、複数の単一子房由来する場合集合果という。例へばマメ科の果実は単一子房由来の単果、柿のの木の果実は複合子房由来の単果である。これに対し、キンポウゲ属、キイチゴ属の果実は不特定多数の単一子房由来の集合果であり、真果である。またオランダイチゴ属やヘビイチゴ属も集合果をつくるが、この場合は花托が伸長、肥大するので偽果でありイチゴ状果と呼ばれる。

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