茎につく扁平な器官で、普通の葉は「葉身」「葉柄」「托葉」の三部からなり、「托葉」や「葉柄」はつかない場合があります。「炭酸同化作用」や「発散作用」を行い、「呼吸作用」のためのガス交換の通路となります。「包葉」「りん片葉」「花葉」などほかの役割に変わっているものもあります。

▼ 「炭酸同化作用」

生物が光のエネルギーによって、空気中から採取した「炭酸ガス」と根から吸収した「水分」とから「炭水化物」を作り出す作用。

【 単葉 】
単葉

「単葉」に対する語で「葉身」が二枚以上の「小葉」からなる「葉」のことを言います。「羽状複葉」・「掌状複葉」があります。

▼ 「小葉」(しょうよう)

「複葉」を作っている、一枚・一枚の「葉」のことを言う。
「シダ類」の「ヒカゲノカズラ科」「イワヒバ科」の小さな「葉」のことを言う。

▼ 「掌状複葉」(しょうじょうふくよう)

「小葉」が「葉軸」の両側に「羽状」に並んだ「葉」のことを言う。

【 複葉 】
複葉
「葉柄」の先端から数個の「小葉」が放射状に出ている「複葉」のことを言う。「小葉」の数により「三出掌状複葉」「五出掌状複葉」「多出掌状複葉」という。

▼ 「羽状複葉」(うじょうふくよう)


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葉の形

◇ 針形(しんけい)

針形
松とか杉などのように 細長く、平たくないもの


◇ 線形(せんけい)

線形
「水仙」「韮」「イヌマキ」の葉、 「マンサク」の花弁などのように 細長く両縁がほぼ平行で平たい 帯状の形を言う


◇ 皮針形(ひしんけい)

皮針形
「水仙」「韮」「イヌマキ」の葉、 「マンサク」の花弁などのように 細長く両縁がほぼ平行で平たい 帯状の形を言う.


◇ 長楕円形(ちょうだえんけい)

長楕円形
「楕円形」よりも細長く 「高さ」が「幅」より3~4倍くらいあるもの 「イボタノキ」「ユズリハ」などの葉


◇ 楕円形(だえんけい)

楕円形
「円」を押しつぶしたような形「カキ」などの葉、「ナツメ」などの果実

◇ 卵形(らんけい)

卵形
「にわとり」の卵のような形中央より下に一番広い部分がある「ヤマブキ」、「クスノキ」などの葉


倒皮針形(とうひしんけい)

倒皮針形「披針形」を逆さにした形中央より上に一番広い部分がある「ショウジョウバカマ」、「ヤマモモ」「たんぽぽ」などの葉


◇ 倒卵形(とうらんけい)

倒卵形「卵形」を逆さにした形中央より上に一番広い部分がある「モクレン」「メギ」などの葉


◇ 心臓形(しんぞうけい)

心臓形「心形」とも言う「ハート」の形をした葉のこと「フタバアオイ」「シクラメン」「ドクダミ」などの葉


◇ 倒心形(とうしんけい)

倒心形「心形」を逆さにした形「カタバミ」の葉など


◇ 腎臓形(じんぞうけい)

腎臓形「腎臓」の形に似ている葉「ユキノシタ」「ツワブキ」葉など


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葉の先端

◇ 鋭尖頭(えいせんとう)

鋭尖頭(えいせんとう)
葉の先が鋭くとがっている状態「鋭頭」よりも鋭い「くり」「やまざくら」「しだれやなぎ」など


◇ 鋭頭(えいとう)

◇ 鋭頭(えいとう)
葉の先がとがっていること「鋭尖頭」よりは鈍い 「もも」「きょうちくとう」「じんちょうげ」など


◇ 尾状鋭尖頭(びじょうえいせんとう)

◇ 尾状鋭尖頭(びじょうえいせんとう)
葉の先が「鋭尖頭」で「尾」のように伸びている状態 「ヤマブキ」「コミネカエデ」など


◇ 鈍頭(どんとう)

◇ 鈍頭(どんとう)
葉の先がとがっていないこと 「サカキ」「サンゴジュ」「ネズミモチ」など


◇ 円頭(えんとう)

◇ 円頭(えんとう)
葉の先が円いこと、「とべら」などの葉

 微凹頭(びおうとう)

 微凹頭(びおうとう)
葉や花弁の先が少し凹んでいる形「マルバハギ」「ツゲ」などの葉、「さくら」の花弁など


◇ 凹頭(おうとう)

◇ 凹頭(おうとう)葉や花弁の先が凹んでいる「微凹頭」よりも深い「ヤハズハンノキ」「グンバイヒルガオ」などの葉


◇ 凸頭(とっとう)

◇ 凸頭(とっとう)葉の先が急に狭くなり、先がとがった状態「モクレン」「コブシ」などの葉


◇ 微凸頭(びとっとう)

◇ 微凸頭(びとっとう)葉の先が急に短くとがっている「インドゴムノキ」「チョウセンゴミシ」などの葉


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葉の基部

◇ 楔形(くさびがた)

◇ 楔形(くさびがた)
葉柄に向かって、次第に狭くなり楔の形になっているもの「コブシ」「ムラサキシキブ」「メギ」など


◇ 耳形(みみがた)

◇ 耳形(みみがた)
葉の基部が膨らんで「耳形」なっている葉「ヤマイモ」「ホソバウナギノツカミ」など


◇ 箭形(せんけい)

◇ 箭形(せんけい)
「矢じり形」ともいい「葉」の基部の形が矢じりに似ている「オモダカ」「ウナギノツカミ」など


◇ 矛形(ほこがた)

◇ 矛形(ほこがた)
「箭形」に似ているが「裂片」は左右に開いている「ミゾソバ」など


◇ 心臓形(しんぞうけい)

◇ 心臓形(しんぞうけい)
「ハート」がたのことで「フタバアオイ」「ドクダミ」など

◇ 切形(せっけい)

◇ 切形(せっけい)
「截形」(せっけい)とも書きます。「円形」でもなく「心臓形」でもなく葉の基部が平らで直線になる形「イタドリ」「ポプラ」など


◇ 楯形(たてがた・じゅんけい)

◇ 楯形(たてがた・じゅんけい)「葉身」の中央に「葉柄」がついている状態「ハス」「ジュンサイ」「ヤブレガサ」などの葉


◇ 無柄(むへい)

◇ 無柄(むへい)葉に「葉柄」が無いこと花に「花柄」がないことを言う「ノゲシ」「ヒャクニチソウ」などの葉


◇ 抱茎(ほうけい)

◇ 抱茎(ほうけい)葉柄の基部、または「無柄」の「葉身」の基部が茎の両側からこれを抱いている「ミミコウモリ」「ノゲシ」などの葉


◇ つきぬき形(つきぬきがた)

◇ つきぬき形(つきぬきがた)葉を茎がつきぬいているようなつき方をしている葉「ツキヌキニンドウ」「ツキヌキオトギリ」などの葉


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葉縁の形

◇ 全縁(ぜんえん)

◇ 全縁(ぜんえん)
「全辺」とも言います「葉」の縁が滑らかで凹凸が無い葉のこと「ネズミモチ」「ミズキ」「クス」など


◇ 鋸歯(きょし)

◇ 鋸歯(きょし)
鋸の「歯」のような「ギザギザ」が斜め前方を向いてそろっている葉「ケヤキ」「クワ」など


◇ 鈍鋸歯(どんきょし)

◇ 鈍鋸歯(どんきょし)
「鋸歯」の「ギザギザ」の先が鈍いもの「カツラ」「カキドオシ」など


◇ 重鋸歯(じゅうきょし)

◇ 重鋸歯(じゅうきょし)
「複鋸歯」「二重鋸歯」とも言います「鋸歯」に大小があり大きい鋸歯の縁に小さい「鋸歯」があり二重になっている


◇ 細鋸歯(さいきょし)

◇ 細鋸歯(さいきょし)
「葉縁」の鋸歯のうちでごく細かいものを言う。1cmのうちで5~10個位ある「アセビ」「ドウダンツツジ」「ウシコロシ」など

◇ 鈍細鋸歯(どんさいきょし)

◇ 鈍細鋸歯(どんさいきょし)
「細鋸歯」で「ギザギザ」の先の鈍いもの「ニシキギ」「アセビ」など


◇ 歯牙(しが)

◇ 歯牙(しが)「歯先」が前に傾かず「山」になる「山形」になるところが「鋸歯」と異なる。「ワレモコウ」などの葉


◇ 波状(はじょう)

◇ 波状(はじょう)「葉縁」に波状の凹凸がある「ブナ」「カシワ」などの葉


◇ 欠刻(けっこく)

◇ 欠刻(けっこく)「葉縁」が不揃いに切れ込みその縁に大小の切れ込みがあるもの「カラコギカエデ」「キンバイソウ」「キク」などの葉



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複葉

▼ 「複葉」

「単葉」(たんよう)に対する語。「葉身」が二枚以上の「小葉」からなる葉。(一枚の「葉」が何枚かの「小葉」からなる葉)

▼ 「小葉」

「複葉」(ふくよう)を作っている一枚一枚の「葉」を言う

◇ 単身複葉(たんしんふくよう)

◇ 単身複葉(たんしんふくよう)
「葉身」の下に「翼」を持つ葉翼を持つ「単葉」


◇ 奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)

◇ 奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)
葉の先端に「小葉」を持つ「複葉」のこと< 「フジ」「バラ」「テンナンショウ」など


◇ 偶数羽状複葉(ぐうすううじょうふくよう)

◇ 偶数羽状複葉(ぐうすううじょうふくよう)
「葉」の先端に「小葉」を持たない「複葉」「ソラマメ」「ナンテンハギ」など


◇ 二回羽状複葉(にかいうじょうふくよう)

◇ 二回羽状複葉(にかいうじょうふくよう)
「再羽状複葉」とも言う「羽状複葉」の葉軸が羽状に分枝してその両側に
「小葉」を付けている葉「タラノキ」「ネムノキ」など

◇ 三出掌状複葉(さんしつしょうじょうふくよう)

◇ 三出掌状複葉(さんしつしょうじょうふくよう)
「葉柄」の先端から三つの「小葉」が放射状に出ている。「ミツバオウレン」など


◇ 五出掌状複葉(ごしつしょうじょうふくよう)

◇ 五出掌状複葉(ごしつしょうじょうふくよう)「葉柄」の先端から五つの「小葉」が放射状に出ている。「アケビ」など


◇ 多出掌状複葉(たしつしょうじょうふくよう)

◇ 多出掌状複葉(たしつしょうじょうふくよう)「葉柄」の先端から複数(五つ以上)の「小葉」が放射状に出ている。「トチノキ」などの葉


◇ 鳥足状複葉(とりあしじょうふくよう)

◇ 鳥足状複葉(とりあしじょうふくよう)「葉柄」の先端から三つの「小葉」が放射状に出、両側の「小葉」はさらに外側に一個ずつ「小葉」を出す。「ヤブガラシ」「アマチャズル」などの葉



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羽状裂

◇ 羽状浅裂(うじょうせんれつ)

◇ 羽状浅裂(うじょうせんれつ)
「切れ込み」の最も浅いもの「キクアザミ」など


◇ 羽状中裂(うじょうちゅうれつ)

◇ 羽状中裂(うじょうちゅうれつ)
中央の脈と「葉縁」との中間くらいまで切れ込みが入っているもの「ノアザミ」など


◇ 羽状深裂(うじょうしんれつ)

◇ 羽状深裂(うじょうしんれつ)
「羽状中裂」より深く切れ込みが入っているもの「タンポポ」「ハンゴンソウ」など


◇ 羽状全裂(うじょうぜんれつ)

◇ 羽状全裂(うじょうぜんれつ)
「中央脈」まで切れ込みが入っているもの「タムラソウ」「オサバグサ」など


羽状脈▼ 「羽状脈」
「掌状脈」(しょうじょうみゃく)に対する語。葉の中央に一本の太い中央脈があって、その両側に測脈が「羽状」に走っているもの。
▼ 「羽状裂」
「羽状脈」を持った葉の裂け方を表す


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掌状裂

◇ 掌状浅裂(しょうじょうせんれつ)

◇ 掌状浅裂(しょうじょうせんれつ)
「切れ込み」の深さにより浅いもの「イタヤカエデ」「ウリノキ」「アカメガシワ」など


◇ 掌状中裂(しょうじょうちゅうれつ)

◇ 掌状中裂(しょうじょうちゅうれつ)
「基部」との中間くらいまで切れ込むもの「モミジガサ」「シロモジ」など


◇ 掌状深裂(しょうじょうしんれつ)

◇ 掌状深裂(しょうじょうしんれつ)
「切れ込み」が基部まで達しているもの「ウマノミツバ」「キツネノボタン」など


掌状脈▼ 「掌状脈」
「羽状脈」(うじょうみゃく)に対する語。葉柄の先端から数本の太い脈が放射状に出ている葉のことを言う。
▼ 「掌状裂」
「掌状脈」を持った葉の裂け方を表す。


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葉序

◇ 互生(ごせい)

◇ 互生(ごせい)
筋ごとに一枚ずつ方向を異にして「葉」が生ずること。「サクラ」「ツバキ」など


◇ 対生(たいせい)

◇ 対生(たいせい)
「葉」が茎の各筋から二枚ずつ向き合って出ている葉のつき方。「ヒイラギ」「アオキ」など


◇ 輪生(りんせい)

◇ 輪生(りんせい))
「葉」が茎の各筋から三枚以上出ていること。「エンレイソウ」「ツクバネソウ」など


◇ 束生(そくせい)

◇ 束生(そくせい)「「叢生」(そうせい)とも言います。短縮した枝の先端に束になって「葉」が付く様子


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