≫ 「心皮」内面の組織が隆起して作られた構造で、受精によりその内部で「胚」を形成し、成熟して種子となります。

▼　「珠孔」（しゅこう）

「胚珠」の先端部で「珠皮」の開孔部をいう。「受精」を行う場合の「花粉管」の「胚珠」への進入口となる

▼　「胚嚢」（はいのう）

珠皮（しゅひ）内部に存在し、胚嚢細胞の分裂によって形成される種子植物の雌性配偶体（しせいはいぐうたい）です。種により多くの型があります。

▼　「珠皮」（しゅひ）

「胚珠」の外側にあって「珠心」を保護する組織です。一般には「珠皮」はにまいあり「外珠皮」「内珠皮」と呼ばれます。

「胎座」「合点」「珠孔」を結ぶ線が上向きの直線を示す形です。胚珠は直立する。「イラクサ科」「クルミ科」「タデ科」など

「合点」「珠孔」を結ぶ線は「胎座」と平行する形です。「胚珠」は横向きです。「マメ科」「サクラソウ科」など

「珠柄」が合点付近ではほぼ１８０°湾曲し「合点」「珠孔」を結ぶ線が下向きの直線を示す形です。「胚珠」は直立します。

「胚珠」は倒立し「珠孔」は胎座近くに位置するが、内部の珠心組織が湾曲する形です。「アカザ科」「ナデシコ科」「アブラナ科」など

「胚珠」は倒立して「珠孔」は胎座近くに位置するが、内部の珠心組織および胚嚢の両者が湾曲する形です。「ナズナ属」など

▼　「花葉」（かよう）

「花」を構成する各要素「ガク」「花弁」「オシベ」「雌しべ」などいずれも「葉」の変形したものと考えられており、それらを合わせて、「花葉」という。「花を構成する葉と言う意味」。

▼　「子房」（しぼう）

「雌しべ」の下の膨らんだ部分のことを言う。１～数個の「心皮」（しんぴ）が結合したもので、１～数個の部屋（子房室）からなり、１～多数の「胚珠」が入っている。

「花」の各要素は「葉」の変形と考えられ、雌しべを構成する「葉」を「心皮」（しんぴ）という。雌しべは、１個または複数個の心皮が合着して袋状の構造となり、胚珠を包み込んでいる。「花柱」が分離しているときはその数と「心皮数」は一致し「子房」の室数も一致する。

「心皮」は「葉」である

一本の「雌しべ」が一枚の心皮で作られる場合、単心皮（性）の雌しべといい、「単一雌しべ」をつくる「心皮」は一個または複数個あっても合成しない。「合成」しない「心皮」のことを「離生心皮」と言う。

一本の「雌しべ」が２．３．４．５個の「心皮」で作られる場合、それぞれ「２心皮」「３心皮」・・の「雌しべ」といい不特定多数の心皮で作られる場合は「多心皮」の雌しべという、合成して「複合雌しべ」を作る心皮を「合成心皮」という。

「合成心皮」のうち「花柱」も合成している場合。

「子房」が「花床」の上にあり「ガク」「花冠」「雄しべ」などがそれよりも下にある「アブラナ」「カタバミ」「アサガオ」など

「花床」がいろいろな形にくぼみ、その底に「子房」があり、「子房」と「花床」とは合着しないで「花床」の周縁に「ガク」「花冠」「雄しべ」がついている
「サクラ」「バラ」「サルスベリ」など

「花床」が椀状に窪み「子房」が半分埋まり、「花床」の内面と「子房壁」とが合着しているもの「ウツギ」「マンサク」など

「花床」が壷状に窪み「子房」がその中に完全に埋まり、「花床」の内面と「子房壁」とが合着しているもの「ナシ」「リンゴ」「キュウリ」など